安家地大根(あっかじだいこん)のふるさと・安家地区は、岩泉町の北部に位置し、1,000m級の険しい山々に囲まれた山峡の村です。
アッカという地名はアイヌ語で水を意味する「ワッカ」に由来すると言われており、その名前の通り安家川の清らかな流れに沿って人々が暮らしています。
安家地大根は岩泉町安家地区で先祖代々伝えられてきた伝統野菜です。農薬や化学肥料のない時代から、土地の気候・風土に合うように進化し、人々の命の糧として栽培されてきました。
戦前は安家地区のほとんどの農家が安家地大根を栽培していましたが、戦後種苗会社による種の販売が普及し、全国的に青首大根が広がる中で生産農家は減っていきました。毎年自分で種を採るより、種屋さんの種を買う方が簡単だからです。
また、固くて水分の少ない安家地大根は寒冷地での貯蔵性に優れていましたが、流通や冷蔵技術の発達により、保存食の必要性が薄れたことも栽培の減少につながりました。
一時は絶滅の危機にあった安家地大根ですが、「安家地区にしかない貴重な大根を未来に伝えよう」との機運が高まり、イタリアに本部を置くスローフード協会が未来に残すべき食材として「味の箱舟」にリストアップしたことから、地域の宝物として広く認識されるようになりました。現在では「安家地大根保存会」ができ、安家地大根の食文化も伝承されています。
スローフードジャパン「味の箱舟」
土の中で冬越しした安家地大根を掘り出し、植えると芽が出て花が咲きます。
花が散りサヤがついたら刈り取り、乾燥してから種を採ります。
その種を畑に播き、栽培が始まります。
台風や害虫に負けないように、しぶとく育ち、収穫になります。
畑に穴を掘り、貯蔵します。(一部は来春の種採り用にします)
氷点下10度くらいまで冷えると、畑から掘り出し、凍み大根を作ります。
① 水分が少なく繊維質に富んでいるため、貯蔵性が高い。
② 鮮やかな紅色や桃色、あるいは紅白2色をしている。
③ 辛みが強く、同時にほのかな甘みがあります。
安家地大根の大根おろしは鮮やかな「もみじおろし」。
辛み大根として蕎麦や豆腐田楽、短角牛肉の薬味に最適ですが、加熱すると甘みが残るので、天ぷらなど様々な料理に使うことができます。
美しい色合いで、食卓に自然な彩りを添えることができます。